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越前海岸


越前海岸
















胸に響き続ける音は


小さなリズムで心を揺さぶり続け


現実と過去とを回転させる


渦を巻いたように雪が舞い上がり


やはり暗く重い音を体にあびせては逃げて行く


何もないこの海岸に


無数の魂が砕けて散っていくような


希望の無い海が波に揉まれ


冷たい魚たちが沖へ沖へと逃げて行く


マフラーに顔を深く埋めながら


ただ黙って見続ける海は


厳しく僕を見放すだけで


何の情愛も伝えようとはしない


初めからそんなものはないと思えば


何も期待するものなどないはずなのに


それでもうすら寒い都会の空気よりは


まだ温かさを感じるのは


とんでもなく冷えてしまったのは


自分の心だと気づいたからなのか





















越前海岸2























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越前海岸3














越前海岸と言うと、宮本輝の「蛍川」を思い出します。
その中に越前岬が出てくる場面があり、その場面が頭を過ぎります。
少し長くなりますが、引用してみます。



 二人はその翌日、越前岬まで足を伸ばした。刻々と暗色を深めながら砕け散る空と海は、
もうどこが境界線なのか判別できなかった。雪も天に向けて逆巻いていた。
「なして、こんなとこに来たかったがや?」
 千代も襟巻で頭をくるんで重竜の耳に口を寄せて笑った。
「なァん、行きたいなんて言うとらんがに」
「越前岬に行きたいていうたがでないかが」
「なァん、越前に行きたいて言うたがやちゃ」
 海岸べりには雪庇を屋根から突き出した民家がまだらな雪をかぶって並んでいた。
雪と風の中でそれらは黒ずんでひっそりとしていた。
 濤声の中から、千代は三味線の響きを聞いた。海鳴りかと聞き耳を立ててみた。
波に向って切り込む風が、偶然に作り出す擬音なのか・・・・・・・。
 三味線の音が聞こえると重竜に言うと、
「おぅ、確かに聞こえるのぉ」
 と重竜も言った。二人は海を見た。
「凄い海よのぉ・・・・・・」




この場面を読んでから、越前岬に一度行って見たいと思ったのはもう随分と昔のことですが、
あれから何度となくこの越前海岸を訪れましたが、
今回の越前海岸の風景を見て、やっと「凄い海よのぉ・・・」と言うのが実感できました。



















越前海岸4












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Comment

ktpage | URL | 2011.02.28 00:54
自分も都会に住んでますが、
機能重視の灰色の世界ですからね。
ざわついてるけど、コミュニケーションをとってる訳ではない。
共感できます。  でも、寒そう・・・
みんこ | URL | 2011.02.28 10:33
「蛍川」…富山弁なんです
宮本さんの作品はある時点まで全部読みましたね・・・・
日本海の荒波には格別の郷愁があります
sunnylake | URL | 2011.02.28 12:27 | Edit
とてつもなく寒そうですね。
これでは心も凍りそうです。
金沢弁、懐かしいです。
母が金沢の人だったので。。。
ながれ星 | URL | 2011.02.28 23:38
ktpageさん、こんばんは。

都会には燃え盛る焚き火はあっても、
温かく包んでくれる毛布はないのだなぁって思います。
自分の体温で暖まることのできる場所。
そんな場所が何よりも欲しいです。
ながれ星 | URL | 2011.02.28 23:42
みんこ さん、こんばんは。

宮本輝は、初期の作品がいいなぁ。

私には田舎がないのでわかりませんが、
みんこさんの郷愁はどんな味がするんでしょうね?
ながれ星 | URL | 2011.02.28 23:44
sunnylakeさん、こんばんは。

この冬はたくさんの雪景色を撮りましたが、
この福井での撮影が一番寒かったでしょうか。
でも、不思議に人には寒さに逆らっていこうとする思いがあるようです。
寒いから、いいのかもいれません。
旅の空から | URL | 2011.03.02 13:10
写真と詩と音楽が、とても心に響いて
涙が出そうなくらいです。
ながれ星 | URL | 2011.03.02 23:06
旅の空から さん、こんばんは。

どちらかと言えば、暗い写真、暗い詩ですが、
そんな暗さの中に私たちの生活があるのかもしれません。

ありがとうございました。
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